なんもない
きのこができて
なんもない
かなしいきもちと
なんもない
年はとったが
あのときとおなじ
なんもない
そのきもちとあのきもち
わかってほしい いたみ
りかいできない ねがい
わすれられない あのとき
わすれられる そのとき
いつかのように蝉がないた
その音にかき消されるようにまた
なんもない まま
今日をいきる
■
糸もない
糸切りばさみに用はない
しかしなければ不安なのだ
■
けものの め をしてる
けれどみえた は はまぶしいほど しろい
残虐、残虐
■
わたしは流動する
わたしもしらない岸へ
流れるままに 揺蕩って
見たことのない花をみる
■
ない答えをあらさがし
あさった結果埃が舞って
咳をする
意味のない理由づけ
心臓がしっている
■
答えを知らないくせに
知っているかのように飄々と
今日を生きる
■
こんにちは、